テン乗りで勝負が成功している騎手と失敗している騎手

テン乗りについての話を少々したいと思います。
テイクアップアームズの方でも記事にしたのですが
そもそも私はテン乗りについてブログに書いていたところ
書籍化のオファーをいただいたことがスタートみたいなものですから
あまり触れないというのもおかしいですもんね。(笑)

テン乗りについて知っておきたいこと

テン乗りとは初騎乗するという意味であって
新馬戦やデビュー戦はそれに含みません。

例えば先日桜花賞を勝ったレーヌミノルは
これまで浜中騎手が5回、蛯名騎手が1回騎乗しており
桜花賞では池添騎手が初めて騎乗したのテン乗りでの勝利となります。

ですが、基本的にG1はテン乗りの成績が悪いものでもあります。
G1ともなれば最低人気の馬ですら良い馬ですから
これまで乗り慣れたコンビと言える騎手のほうが
好結果を出すことが多いものなんですね。

その中でもG1の格というのも正直なところありまして
高松宮記念や朝日杯、フェブラリーステークスなどでは
テン乗りでも勝つことは珍しくありません。

ただ、やはり有馬記念や日本ダービーであったり
天皇賞や距離の長い菊花賞などでもテン乗りの成績は悪いです。

テン乗りには様々なケースが考えられます。

・新人騎手やリーディング下位の騎手に弱い馬を乗せてあげる

もちろんデビューしたばかりの騎手に関しては
騎乗する馬はもちろん初騎乗になってしまいます。
また新人騎手に良い馬が次々回ることは少ないですから
必然的にテン乗りが増えて人気薄の馬が多くなりますね。

嶋田純次騎手を見ても昨年もテン乗りが49回
2015年は84回テン乗りをしています。
騎乗馬の平均オッズは『100倍を超えている』わけですから
やはり人気薄の正直馬場掃除のような馬が次々と
下位の騎手に回ってきているということになります。

・主戦の騎手が他の馬に騎乗するため

メインで騎乗している騎手が他場に行っていたりとか
同じように主戦の馬が同じレースに騎乗した時など
当然1人の騎手は1頭の馬にしか騎乗できませんので
必然的に騎手が替わることでテン乗りとなるケースです。

・馬に変化を付けたい場合

例えば折り合いに欠ける馬に対して
テン乗りの騎手と手が合うことはよくあります。
またゲートが下手な馬も騎手が乗り替わった途端に
上手くゲートを出るということも少なくありません。
(その逆もありますが。)

・勝負に行きたい場合

ここぞ!という時にリーディング上位の騎手に依頼をしたり
またおそらく逆のパターンでエージェントや騎手本人が
営業をして有力馬を奪ってしまうというケースです。

今回はこの勝負に行きたい場合について
少しお話してみたいと思います。

テン乗りで勝負に行く騎手

2014年以降で1番人気でテン乗りをした
回数ではなく割合を見ていきましょう。

1位は何と35.1%も該当しているムーア騎手。
次に34.9%のモレイラ騎手でこの2人がダントツです。

3位はルメール騎手で29.5%と通年騎乗している
JRA所属の騎手と考えると非常に高い数値です。

4位からも外人参戦騎手が沢山該当しますが
JRA所属であるとデムーロ騎手、川田騎手、戸崎騎手
福永騎手が圧倒的に高く、武豊騎手はそれを追う形で
実はまだ上位にいるという状態です。

次に勝利数順に見て行きましょう。

1位戸崎騎手 268回騎乗
勝率35.4% 回収率83%

2位ルメール騎乗 234回騎乗
勝率33.3% 回収率73%

3位川田騎乗 159回騎乗
勝率35.8% 回収率83%

4位デムーロ騎乗 195回騎乗
勝率28.2% 回収率68%

5位福永騎乗 146回騎乗
勝率36.3% 回収率92%

6位岩田騎手 144回騎乗
勝率28.5% 回収率67%

7位武豊騎手 105回騎乗
勝率34.3% 回収率82%

8位内田騎乗 94回騎乗
勝率37.2% 回収率94%

9位吉田隼人騎乗 106回騎乗
勝率27.4% 回収率66%

10位田辺騎手 60回騎乗
勝率45.0% 回収率130%

やはり名のしれた騎手達が多く騎乗して
多く勝ち星をあげていることがわかります。

ただ、このような結果を見た時に私が思うのは
全てではありませんが馬主さんや調教師さんの意志で
オファーをしているのであれば・・・
データや実績について数字で把握していない人も
多いのかな?という疑問が浮かびます。

というのは、もちろん馬主や調教師は回収率なんて
関係ありませんしどうでもいいと思っているはずですが
勝率に関しては最も重要なことであると考えるはずです。

上記で言えば1位の戸崎騎手は勝率が高いですし
川田騎手、福永騎手、武豊騎手、内田騎手、そしてずば抜けて
田辺騎手に関しては正解のテン乗りだと思います。
結果として勝負が正しい方向(1番人気の平均勝率より良い)に
出ているわけですからね。

ルメール騎手は平均的ということになりますが
デムーロ騎手、岩田騎手、吉田隼人騎手に関しては
どう考えても新人騎手に騎乗させても良いぐらいの結果です。

もちろん彼らが騎乗することで人気になってしまって
2番人気と差のない1番人気になってしまったケースも多いですが
それにしては成績が貧弱です。

※こういうこともありデムーロや岩田の騎乗馬の質が落ちたということも
十分に考えられる結果ですね。

さて、こういう傾向を知ったわけですが
これを馬券に活かすにはどうすればいいでしょうか?

馬主目線と馬券購入者目線を両方持ってみる

まず、馬券購入者としての目線で考えると
回収率が重要になります。

そうなると田辺騎手を筆頭に内田騎手、福永騎手からの馬券は
収支を上げるために必要な存在であるとわかります。

次に馬主目線だと「勝つこと」だけで考えるわけですが
これはすなわち「当てること」に繋がります。

回収率よりまず当てることを重視するのであれば、
言い換えれば1着は固定して2-3着をチョイスすることが上手く
馬券収支を上げる自信があるのであれば、
戸崎騎手、川田騎手、武豊騎手も1着としてチョイスできます。

最後に、ルメール騎手やデムーロ騎手、岩田騎手
吉田隼人騎手などがテン乗りで1番人気なのであれば
信頼度も回収率も低めになりますので他の馬から狙うという
選択も浮かび上がってきますよね。

今日はこの辺で。
また次回の更新で、テン乗りの話はしてみたいと思います。

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