勝つための競馬をする騎手 佐藤哲三

【勝つための競馬をする騎手 佐藤哲三】

私が競馬の魅力に気がついたきっかけだった馬は
サイレンススズカという名馬でした。

その速さ、個性、そして儚すぎる最期まで
競馬の面白さを教えてくれた存在です。

それから、馬券が買える年齢になってから
最も好きで、信頼し、今現在を含めても
最も多くの金額を買ったのが佐藤哲三騎手とタップダンスシチーです。

そして、一番好きな騎手は佐藤哲三騎手ですし
一番好きな馬はタップダンスシチーでした。

タップダンスシチーのラストランとなった
2005年の有馬記念の後にも喪失感がありましたが
昨日、ずっと復帰を願っていた佐藤哲三騎手の引退発表があり
今この瞬間もかなり気持ちが落ち込んでいるところです。

もちろん、引退の可能性もあることは理解していました。

2012年11月24日 京都10R
トウシンイーグルに騎乗していた佐藤哲三騎手は
直線に入ったところでバランスを崩し落馬。

柵に叩きつけられる形になり、想像を絶する怪我をしました。

左上腕骨開放骨折
左肩甲骨骨折
L4(腰椎)横突起骨折
左尺骨骨折
右大腿骨骨幹部骨折
左足関節脱臼骨折
右第一肋骨骨折
右肘関節(尺骨)脱臼
右下腿部裂創
外傷性気胸

最初にこの怪我の発表を見た時は「体がバラバラだ・・・」
そう思ったことを覚えています。

血管と神経も損傷し、左腕は動かない状態が続く中
6回もの手術をして復帰を目指していましたが
ターフは遠く、もう佐藤哲三騎手の騎乗は見れなくなりました。

私が佐藤哲三騎手とタップダンスシチーが好きだったのは
お世辞にも派手とは言えない人馬が一体となって
勝つための競馬をし、また1回1回のレースで徐々に気持ちを揃えながら
成長をしていく姿を見せてくれたことにあります。

朝日チャレンジカップ以降、この名コンビは紆余曲折しながら
数々の名レースを生み出していきましたが、その過程が私には
本当に輝いて見えましたし、競馬と馬券の楽しみを教えてくれました。

また、佐藤哲三騎手は相手がいくら強くても
着狙いをせずに、勝つための方法を考えて騎乗してくれましたし
諦めず勝つための競馬をしてくれていました。

自分のことをギャンブラー騎乗なんて言っている
インタビューを見たことがありますが、
だからこそ、信頼して単勝馬券を買うことができましたし
今後はわかりませんが、現時点までの私の馬券人生の中で
最も単勝で(その他の馬券も)お金を突っ込んだのは
佐藤哲三騎手であり、タップダンスシチーです。

2003年のジャパンカップでは単勝に給料と有り金を
全部突っ込みました(笑)

あのぶっちぎりの逃げを決めた時の映像を
当時ガラケーの動画で撮影し、それを目覚ましや着メロとして
使っていたぐらい大好きで思い出深いレースです。

翌年の宝塚記念ではタップダンスシチーの単勝と
シルクフェイマスへの馬単をしこたま買っていました。

負けても納得できる騎乗をしてくれる騎手と馬
そんな人馬一体のコンビが競馬を好きにしてくれましたし
もしかすると、佐藤哲三騎手がいなかったら
人前で馬券の話をしたり、本を出したり、これを書いている
この場にしても、全て無かったのではないかとすら思うぐらいです。

佐藤哲三騎手のように勝つための戦いをするということは
馬券家としてもとても勉強になることでしたし
そこがブレていたら『勝負師』でも『馬券家』でも『ギャンブラー』でもねぇ!!
というのが自分のポリシーになっています。

また、彼の気の強さも大好きでした。

さて昨年、佐藤哲三騎手がインタビューで言っていた

『悩んで走ってる馬を悩まず走らせたいな』

という言葉が、個人的には佐藤哲三騎手の一番の名言です。

馬に対しての誠実さが、ここに凝縮されているように感じました。

私も立場的には、馬券に関しては特に悩んで買っている人から
相談を受けたり、コンテンツを利用してもらうことが多いですし
それ以外のプライベートでも、年齢的には人から相談を受けることもあります。

もちろん私自信が悩むことも毎日のようにありますが
悩んでいる人が頼ってくれた時には、悩まずに戦えるように
してあげれるような人間になりたいなぁと思いました。

とりとめのない文章になってしまいましたが
本当に影響の大きかった騎手、佐藤哲三騎手には
『お疲れ様でした。ありがとうございます。』という言葉しかありません。

・・・いや、本音は『なんとか復帰できないっすか?』ですけどね(笑)

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